困難の乗り越え方を語ろう④
困難が何事も無く、過ぎ去って行くのと困難を乗り越えるのとでは人生の経験値が圧倒的に違います。
なぜなら人は困難に打ち勝つことでしかレベルアップ出来ないからです。
ある飲食店の改善物語④
職場環境
・駅前店で客席は多い。回転率も高いが客単価は低い。
・駅前だが土日も忙しい。
・従業員はベテラン組と新人組。波風は立てないが裏で罵り合っている。
エアコンのスイッチ事件
・エリアマネージャーから全店、光熱費は前年比90%以下に抑えろとのお達しがきました。急いで従業員に伝えると新人組から「ランチ終了~夕方まではエアコンを一つ消しましょう」と提案がありました。その時間はアイドルタイムでお客さんの閑散としているし、エアコンが当たる場所にお客様をご案内すれば問題が無いのでその案を採用しました。周知徹底のためベテラン組に提案事項を伝えると「今ままで通りが良い」「勝手に変えないで欲しい」と提案を完全拒否されました。
店長の葛藤
・やってしまった、、、。これで新人組にやっぱり変更は取り消しと言えば「ベテランに言いくるめられるなんて店長失格!!」と言われる。かといってベテランに「俺が店長だ!従業員は店長の言うことに従うべきだ!!」なんて言えば明日からベテラン組が出勤してこないかもしれない。まさに前門の虎後門の狼。
解決方法
・古代ギリシャの哲学者アリストテレスは3つの条件が揃えば必ず提案が通ると伝えられいます。
(1)エトス(信頼)・・・ベテラン組にあえて店長の失敗談を話すことで信頼を勝ち取る。ベテランは色々な店長を見ている。店長は自分を良く見せたいので自慢話しかしない。腹を割って失敗や後悔話を話すことで他の店長との差別化とベテラン組のエフィカシー(自己効力感)向上が信頼度アップに繋がりました。
(2)パトス(感情)・・・従来のやり方を変えるのは忍びないけど店の損益改善のために協力してもらいたいという熱意をべテラン組に訴えました。
(3)ロゴス(論理)・・・ベテラン組に「皆さんの大切な店をこれからも持続可能にするため何が出来るでしょうか?」と問いかけました。節電はサステナブルな環境問題改善の観点からも率先して取り組むべき問題と再定義しました。
まとめ
ロジックがあっても、共感力・洞察力が多くても、信頼が無ければ何も変わらない。結局、何を言うかでは無く誰が言うかになってしまう日本が大好きです。